マンションライフを楽しむMANSION LIFE
2011.06.01
マンションの節電対策
東日本大震災による影響で、東北・関東地方を中心に夏場の電力不足が懸念されており、一般家庭においても積極的な節電が求められています。また、浜岡原発の停止により、夏の電力需要のピーク時には中部電力管内でも電力が不足する心配もでてきています。そこで、今回はマンション生活でできる、身近な節電対策をご紹介します。
節電につながる家電の使い方
日常の生活の中で手軽に実行でき、効果の高いのが家電の節電です。電気の消費量は、「使用する電力×時間」で決まりますので、使用する電力を下げることと、使用時間をできるだけ短くすることが「節電」の基本になります。
エアコン
スイッチを入れる前に換気をしよう
お部屋に熱い空気がこもったままの状態では、エアコンをつけてもなかなか涼しくなりません。帰宅をしてエアコンのスイッチを入れる前に、窓を開けて換気を行いましょう。換気をするときは、窓を2カ所以上開けて、風の流れを作ると効率良く換気が行えます。
温度設定・風量設定を調整する
温度設定は消費電力に大きく影響し、冷房の場合は設定温度を2℃上げると約10%%の節電になります。冷房の推奨温度は28°です※1。
また、風量は自動設定がおすすめです。エアコンはお部屋を冷やすときに多くの電力を使いますが、冷やし始めが微風や弱風だとなかなかお部屋が冷えず、結果的に余分な電力を使うことになってしまいます。そこで、自動に設定しておくことでお部屋が冷えるまでは強風、その後は微風にと、そのときの状況に合わせて調整してくれるので、手動よりも効率のよい風量設定が行えます。
また、暑く感じるときはエアコンの温度設定を下げる前に、風量を強くすることを試してみましょう。風があると同じ温度でも涼しく感じます。
風向きを調整する
お部屋の中で冷たい空気は下に、暖かい空気は上にたまりがちです。そこで、エアコンの風向きを水平、または少し上向きにすると、効率的な冷却効果が期待できます。
フィルターの掃除
エアコン内部のフィルターが目詰まりしていると、風量が低下し、運転効率が悪くなってしまいます。2週間に1度はフィルターの掃除を行うようにしましょう。
室外機を日影に設置する
室外機は熱気を排出するときに、多くの電力を消費します。室外機に直射日光にあたると、室外機周辺の温度が高くなり、熱を排出する効率が低下してしまいます。室外機は日陰に設置するか、室外機の前にスダレを設置するなど、直射日光を避ける工夫をするようにしましょう。また、室外機の吹き出し口の近くに物を置かないように注意してください。吹き出し口がふさがれると、放出した熱風を再度吸い込んでしまうこととなり、冷却効果が下がってしまいます。
冷蔵庫
冷蔵庫本体を壁から離して設置する
冷蔵庫自体が熱くなってしまうと、それを冷やそうとするため余分な電力が必要になります。十分な放熱ができるように、壁から少し離して本体を置くようにしましょう。放熱場所や必要な放熱スペースは、製品ごとに異なるため取扱説明書を確認してみてください。
温度設定の見直し
冷蔵庫も冷やし過ぎると余計な電力がかかってしまいます。温度調整を行って、温度を適正に保つようにしましょう。適正温度は、冷蔵室は1℃~5℃、冷凍室はマイナス18℃~マイナス22℃です。400リットルクラスの冷蔵庫では、「強」から「中」に変更すると、約2%の節電になります※2。
詰め込み過ぎに注意する
詰め込み過ぎすると冷気の対流が妨げられるので、無駄な電力を消費することになります。冷風口の前には物を置かないように気をつけながら、余裕をもったしまい方を心がけましょう。 逆に冷凍庫の場合は、凍った物同士で冷やし合うので、詰め込んだ方が冷凍庫の中の温度が下がりにくくなります。
開閉を少なくする
冷蔵庫の扉を開け閉めするたびに、もとの温度に戻すために電力が使われます。つまり、開閉を少なくすることが節電につながります。例えば、冷蔵庫の扉を開けなくても食品の在庫や場所がわかるように、ホワイトボードに記載して扉表面に貼っておくなどの工夫をしてみましょう。また、冷蔵庫の扉の内側に取り付けて、冷気を逃がさないようにする「冷蔵庫カーテン」といったグッズの利用もおすすめです。
洗濯機
洗濯物はまとめて洗濯をする。
洗濯は少量洗いよりも、ある程度の量をためてから1回の洗濯で済ませる方が節電になり、節水にもなります。ただし、洗濯機の許容量以上に詰め込むと逆効果になりますので注意してください。
スピードコースを使う
軽い汚れの場合は、スピードコース、スピーディーモードなどを使用してみましょう。 標準コースで洗濯するより短時間で終わるので、消費する電力も少なくて済みます。
乾燥機能の使用を控える
乾燥機能は消費電力が大きいためなるべく利用は避けるようにしましょう。どうしても必要という場合は、必要な分だけ、量を少なくすれば乾燥時間を短縮でき、節電につながります。
テレビ
主電源でオフにする
リモコン待ち状態(待機状態)では電気を消費してしまいます。必ず主電源で消すようにしましょう。
画面の明るさや音量を適切に調整する
音量や明るさを下げることが節電につながります。特に明るさは初期設定で明るめ設定されていることが多いので、一度確認してみてください。
掃除機
フィルターやゴミパックの掃除をする
掃除機を使う前に、フィルターやゴミパックの掃除を行いましょう。ほこりやゴミがたまったままでは吸引力が低下し、掃除機を使用する時間が長くなってしまいます。
部屋を片付けておく
掃除機は、スイッチを入れるときに電力を消費します。オンオフを少なくするために掃除機をかける前にあらかじめお部屋の中を片付けておきましょう。
※ 1、2の出典:平成23年5月 資源エネルギー庁「家庭の節電対策メニュー」
マンション生活でできる節電対策
家電以外にも、マンション生活でできる節電活動をご紹介します。
電力使用ピーク時間に気をつける
普段の節電(消費電力を抑える)に加えて、電力使用のピーク時間に節電することが重要です。
電力需要のピークを最大電力といい、この最大電力の予測に合わせて各電力会社は発電施設を稼働させて電気を作っています。しかし、この夏は今回の震災で被害を受けた発電所の稼働が見込めないため、電力の総供給量が低下し、最大電力が電気の供給力を上回ってしまう懸念があるのです。言い換えれば、今回の電力不足は1日の内で1番電気が使われるピーク時間の電力が足りなくなるということです。
そこで、有効なのがピーク時間の節電です。ピーク時間は季節によって異なり、夏場は14時頃です※3。
例えば、掃除は早朝に終わらせる、お昼ご飯は朝と一緒に作ってしまうなど、ピークの時間に電気を使わないといった、ピークシフトを意識した生活を心がけてみましょう。実は、ピークシフトを意識すると少し節電がラクになります。1日中使用を我慢するのではなく、使うタイミングを考える、ある時間帯だけ使わないようにすればいいからです。
家電を使用する前に、「何時なのか」ということを考えるようにしてみてください。
エレベーターの使用を避ける
エレベーターは多くの電力を消費します。どうしても使用しなければならない場合以外は、極力使用を控え、階段を使うようにしてみましょう。
電球の付け替え
電力消費量の多い照明器具の見直しも節電につながります。白熱電球を電球形蛍光灯やLED電球に変えるだけでかなりの節電効果が期待できます。無駄な消し忘れを防ぐことができる人感センサー付き照明もおすすめです。
生活の見直し
ほかにも節電につながる活動がたくさんあります。ぜひ参考になさってみてください。
- エアコンを止めて扇風機を使う、もしくは併用する
- 炊飯器を使わずに土鍋でご飯をたく
- 電気ポットをやめて、魔法瓶を使用する
- ホウキやハタキ、雑巾などを使用して、掃除機を使わない掃除を心がける
※ 3の出典:平成23年5月 資源エネルギー庁「家庭の節電対策メニュー」
最後に
ひとりひとりの節電アクションが大きな力となります。まずは、できることから始めてみましょう。