マンションライフを楽しむMANSION LIFE
2022.07.28
小上がりで憧れの和空間をチョイ足ししてみませんか?
近年、和室のないマンションも当たり前になってきた一方、おうち時間増加で自宅内に寛ぎのスペースが欲しいという声も。そんな時にお薦めなのが、後付けの「小上がり収納」や「畳ベッド」です。
収納スペースを上手に増やしつつ、寛ぎスペースからちょっとしたワーキングスペースまでさまざまな活用方法が考えられます。今回は、ちょい足し和空間の作り方と、その活用方法についてご紹介します。
暮らしに「和の癒し空間」を取り入れよう
リビングと同じ空間にありながら床から一段高くなった小上がり和室。まずはリビングの一角に和の空間を設けるメリットとデメリットをご紹介します。
小上がり和室のメリットとは?
棚やラックを設置するのと同じように手軽に和室空間を作れるのがメリット。引き出しタイプ、小上がりの天面が開くタイプなど、さまざまなタイプがあるので、しまいたいものや設置場所などによって組み合わせれば、ピッタリのくつろぎ&収納空間を作れます。
ほかにも後付けの小上がり和室ならではのメリットには、以下のようなものもあります。
・床から一段高いことでホコリ汚れが防げる
・お部屋を区切ることで特定の目的に使うスペース(応接スペースや子どもの遊び場など)を作れる
・和室と違って空間が区切られていないので、開放感がある
・つい立てなどの目隠しを併用すると、個室としても使用可能
このほか、湯上りのちょっとしたリラックススペースとして、ヨガやストレッチスペースとしての利用もできます。また簡易的なソファやベッドとしての活用も。ヨガマットや布団がなくても直接寝たりエクササイズができるのは、畳ならではの魅力ですね。
小上がり和室のデメリットとは?
便利なところも多い一方、以下のようなデメリットもあります。
・バリアフリーには向かない
・ロボット掃除機が対応できない
・リビングの広さに影響する
高齢者や乳幼児が使用する場合にはつまずきや落下などの危険もあるので見守りが必要だったり、ロボット掃除機を使う際には配慮が必要などの注意点があります。
導入を検討する際は、家族構成なども合わせて向き不向きや設置方法を検討しましょう。
工事不要で憧れの「和空間」を手に入れよう
小上がり和室を手軽に作るには、半畳~1畳、2畳と畳ユニットを組み合わせられる「ユニット畳」や、ベッドを兼ねた「畳ベッド」などを使用します。「ユニット畳」なら、設置スペースの使い方やライフスタイルに合わせて形や広さ、置き場所を調節することも可能!ここでは、工事不要で和空間を手に入れる方法をご紹介します。
小上がり和室の作り方
小上がり和室は、「ユニット畳」や「畳ベッド」などを設置するだけで手軽に作れてしまうのが最大の魅力。サイズや収納タイプなど、さまざまな選択肢があるので、それぞれのご家庭に合わせたスペースづくりが可能です。
通販サイトや家具店などで購入でき、サイズは半畳四方の正方形のユニット畳から大きな畳ベッドなどがあります。組み合わせ次第で大きくすることも可能です。それぞれの特徴をチェックしておきましょう。
【収納付きユニット畳】
●半畳~1畳、2畳と畳ユニットを組み合わせられる。
●畳の下の収納は用途によってタイプ選びが可能で、ライフスタイルやスペースに合わせて自由なレイアウトができる。
●壁側は深型、手前は引き出しタイプのように、1畳サイズのユニット畳を組み合わせたり、1畳+半畳を組み合わせてL字スツールにすることも可能。
●畳サイズなら1万円前後から入手可能。
【畳ベッド】
●2~3畳サイズの大きなものが多い。
●ヘッドのついたベッドに近いものから、すのこに畳を載せたようなシンプルなものまでバリエーションは様々。四角いスペースがしっかりとれるお部屋にお薦め。
●ベッドとして設計されているため、頑強なつくりで、ユニット畳よりも値が張る。
ちょい足し和空間をつくるには、設置したいスペースや予算に合わせてどちらが向いているか検討しましょう。また、検討の際は設置場所としまうものによって、収納タイプを考える必要があります。収納タイプの特徴を見てみましょう。
【引き出しタイプ】
●畳ベッドの収納は引き出しタイプがメイン。物の出し入れがしやすいのが特徴です。
●ユニット畳の場合でも、設置場所の奥行があまりない・複数を組み合わせて使う際にはお薦めです。
【跳ね上げタイプ】
●蓋になる畳部分にスプリングがついた跳ね上げ式。畳を持ち上げると中に収納ができるタイプ。力を入れずに開けられ、その状態を保持できる。
●ユニット畳を組み合わせて2畳以上の空間を作る場合は、奥を跳ね上げタイプ、手前を引き出しタイプにすると使いやすい。(写真下)
【天面開口タイプ】
●蓋となる畳部分全面を取り外せるタイプ。開閉のたびに外畳を持ち上げる。
●跳ね上げタイプと比べるとコストはかからない。
●出し入れが少ないものを収納するには向いている。
なお、畳ベッドもユニット畳も大きく重いパーツを扱います。ご家庭で組み立て・設置をする場合は、2人以上で作業した方がよいでしょう。1人でも無理ではありませんが、思わぬ事故が起きる可能性もありますので注意が必要です。組み立て・設置を購入先に別料金で依頼する方法もあります。
小上がり和室活用アイデア3選
限られた部屋数・スペースで暮らすマンション住民にとって、多目的に使える小上がり和室は、生活の幅を広げる可能性を秘めた場所。実際に導入している方の声も含めて、活用アイデアをご紹介します。
改めて小上がり和室の用途を確認してみましょう。
・ちょっとした作業スペースとして
型紙を広げるなど、机では収まりきらない作業や、着物の着付けなど、広いスペースが必要な際に作業スペースとして活用できます。
・子どものリビング学習や大人のテレワークスペースとして
小上がりの隅にてカウンターを設置すると、子どものリビング学習や大人のテレワークにピッタリなワーキングスペースとして活用できます。
・簡易的な療養スペースとして
子どもが風邪などをひいた場合、目の届かない個室に寝かせるのは難しいもの。そんなときは、小上がりの上にベビーベッド用の布団を設置して、他の家族と距離を保ちながら療養スペースとして使うこともできます。
【実際に利用された方にお話を伺いました】
コロナウィルス感染症の流行でおうち時間が増えたのを機に「小上がり和室」を作ったという二浦さん(神奈川県在住、夫と5歳の娘と3人暮らし)にお話を伺いました。
「我が家では12畳ほどのLDKの一角に2畳の小上がり和室を作りました。奥は天面開口タイプ、手前は上下に引き出しと二種類のユニット畳を導入しました。価格は合わせて3万円程度でした」(二浦さん)
設置当所は畳ユニットを設置しただけだったので、主に寛ぎスペースや子どもの遊びスペースとして活躍した様子。
「子どもがお人形遊びやおままごとなどの細々としたおもちゃを広げて遊ぶことが多いのですが、小上がりを使うとそのスペース内で遊んでくれるので、部屋が必要以上に散らからなくなりました。床に転がった子どものおもちゃを踏んで、痛みを耐えることもありません(笑)」(二浦さん)
お子さんがコロナウィルスに感染した際には、小上がり和室が簡易隔離スペースとして大活躍だったそう。
「子どもが感染して一番困ったのは、隔離についてでした。普段は親と一緒に大人のベッドに寝ていますが、この時ばかりはそうすることもできず…。そこで、子どもには小上がり和室の上で過ごしてもらい、トイレと食事以外は降りないようにしてもらいました。行動範囲を限定しつつも、できる限り距離を取って生活できたと思います。ベビーベッド用の布団セットを取っておいてよかったです」(二浦さん)
その後、お子さんが机上での遊びやドリルなどに取り組む時間が増えてきたため、小上がり和室にデスクを導入。畳ユニットの上にデスクを載せるのではなく、高さのあるカウンターテーブルで畳ユニットを挟むように置いたのがポイントだそうです。
「一般のカウンターテーブルの中に畳ユニットを入れるように設置しており、畳を外して収納の出し入れをするときにも支障がないんです。子どもも壁に向かっているので作業や勉強に集中しやすく、いいことずくめですよ(写真)。大人が使うときは畳に直接座るとちょうどいい高さになります」(二浦さん)
収納スペースには、頻繁に使わないけれども管理が必要な書類の保管場所、食料ストックを入れるパントリースペースとして活用しています。
今後も、家族の年齢やライフスタイルの変化に応じて工夫をしていきたいと語る二浦さん。具体的なアレンジ方法や活用方法は参考になりそうです。
今回は様々な活用方法ができる小上がり和室のアイデアをお届けしました。マンションライフをより楽しく、充実したものとするためにご活用ください。