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2012.11.29
水を上手に使い分けよう
普段何気なく使っている水。実は、水の中に含まれる成分によって、得られる効果に違いがあることをご存じですか?水の効果をうまく生活に取り入れれば、暮らしの快適度が大きく変わってきます。今回は水の使い分けについてご紹介します。
水の基礎知識
一口に水といっても、中に溶けている成分によって、いくつかの種類に分けることができます。
中性・酸性・アルカリ性
飲料水を分類する基準の1つにpH(ピーエイチ)があります。これは水の中に水素イオンがどれだけ含まれているかを示すもので、その水がアルカリ性に近いか、酸性に近いかを判断するための数値です。pH7が中性をあらわし、値がpH7より低い場合は酸性、7より高い場合はアルカリ性と区別されます。
アルカリイオン水
飲用に適し、胃腸症状の改善効果が期待できるといわれています。各種料理にも最適です。
弱酸性水
弱酸性水は飲用には適しませんが、肌にやさしく、軽い消毒殺菌作用があるため、洗顔や洗髪、入浴に適します。
硬水・軟水
水の中に含まれるミネラル類のうち、カルシウムイオンとマグネシウムイオンの合計含有量を数値化したものが「硬度」です。この2つのイオンが多ければ硬水、少なければ軟水となり、世界保健機関(WHO)の基準では、硬度が120mg/l以下を「軟水」、120mg/l以上を「硬水」としています。
軟水
のど越しが柔らかく、クセがないため飲みやすい水といわれます。日本の水はほとんどがこの軟水です。
硬水
硬水はカルシウムとマグネシウムの含有量が多いため、のど越しが硬く、少し苦みやクセを感じることがあります。しかし、ミネラルが豊富なので、便秘解消やダイエットにも役立つといわれます。
水道水
水道水の水質は日本各地で異なりますが、それは、河川やダム、地下水など、どの水を使用するかによって変わってくるからです。河川やダム、地下水はそのままでは飲むことができないため、一度浄水施設に送られます。そこで、消毒のためにカルキ(塩素)が注入されるのです。これが、水道水がおいしくないとされる原因です。
このカルキ(塩素)は、水を沸騰させたり、浄水器を通すことで減らしたり、取り除くことができます。また、レモンの絞り汁を入れるのもおすすめです。レモンに含まれるビタミンCが塩素と化学反応を起こして、塩素を別の物質に変化し、カルキ臭さがなくなります。
水を上手に使い分けよう
水の種類をいくつか紹介してきましたが、これらを生活のさまざまな場面で、使い分けてみましょう。
料理
料理は水の良しあしで決まるともいわれます。食材に適した水を使うことが、料理をワンランクアップさせる秘訣です。基本的な考え方としては、「食材や料理が生まれた土地の水」を使うということです。簡単な分け方をしてしまえば、和食には軟水が、洋食には硬水が適しています。
硬水がおすすめの食材、料理
肉料理、パスタ、炒飯用ご飯、パエリヤ
軟水がおすすめの食材、料理
和風だし、ご飯、日本茶・紅茶・コーヒー
また、ほうれん草やゴボウなどのあく抜きにはアルカリイオン水がおすすめです。ゆで玉子を作るときは弱酸性水を使うと殻がむきやすくなります。
洗濯
洗剤の洗浄成分がミネラルと結合すると石けんカスが発生します。石けんカスは、衣類をいためたり、洗濯槽の汚れの原因となります。そこで、洗濯には硬度分の少ない軟水の利用がおすすめです。日本の水はほとんどが軟水ですが、場所によっては、硬度が高い地域もあります。そういった地域では、軟水器などで水の硬度分を取り除くと、石けんカスができにくく、汚れも落ちやすくなります。また、梅雨の時期は酸性水を使うと嫌なにおいの発生が抑えられます。
入浴
入浴も洗濯と同様に、石けんカスが残りにくい、軟水の利用がおすすめです。また、弱酸性水を洗顔に使うとお肌が引き締まり、洗髪をすると抜け毛予防になります。浴槽にも少し弱酸整水を入れると、湯冷めしにくくなります。
掃除
掃除には、殺菌力、洗浄力がある弱酸性水がおすすめです。浴室の掃除に使うと、水あかがよく落とせます。
水質を変えるアイテム
ここまでは、水の使い分けについてご紹介してきましたが、用途に合った種類の水を用意するのは大変なものです。そこで、便利なのが水質を簡単に変えことができるアイテムです。これらを利用することで、ご家庭でも手軽に用途に合わせた水質の水を用意することができるようになります。
浄水器
水道水をろ過して余分な物質を取り除く(または減らす)ことでキレイな水を作る機器です。蛇口取り付け型、卓上型とさまざまなタイプがあり、比較的取り入れやすいアイテムです。最近ではあらかじめビルトインされているマンションも多くみかけます。
蛇口取り付け型
蛇口に直接取り付けるタイプは、コンパクトで場所をとらず、平均して約2,000円~約5,000円とお手頃な価格が魅力です。ただし、フィルターの交換が年に2~4回必要になります。
卓上型
容器にセットされたフィルターの上から水道水を注ぐと、水がろ過され、必要な分だけの浄水を手軽に作ることができます。持ち運びできるので、寝室や食卓に、アウトドアにも重宝します。約2000~約5000円と価格もお手頃です。
整水器
水道水をアルカリイオン水や弱酸性水に電気分解しpH値を変えることができる機器です。浄水器と一体型になっているものもあります。価格は約20,000円~約80,000円と、機能によって大きく変わってきます。
軟水器
水道水から硬度成分を取り除き、軟水化することができる機器です。家中の水を全て軟水に変えるものや、キッチンのみ、浴室のみといった部分的に軟水できる装置などさまざまな種類があります。そのため、約50,000円~約400,000円と価格も幅広い設定になっています。
ウォーターサーバー
震災後、人気が高まっているのがウォーターサーバーです。手軽にミネラルウォーターが楽しむことができ、冷水や熱湯もすぐに用意することができます。サーバーを購入するか、レンタルするか、購入する水の種類によって月々に発生する価格が異なってきます。無料でサーバーをレンタルできるところもあります。
最後に
いかがでしたか。水を変えれば、暮らしも変わります。暮らしの中の水について、一度考えてみてはいかがでしょうか。