マンションライフを楽しむMANSION LIFE
2016.08.30
著名人が暮らしたアパルトマン「ギュスターヴ・モロー」
今回は、フランスの著名な画家、ギュスターヴ・モローの暮らしていたアパルトマン(個人美術館)をご紹介いたします。
モロー自身の作品や骨董品によって装飾が施された住居からは、自分好みに内装を整える喜びが感じられます。心地良い住まい作りの参考にもぜひどうぞ。
ギュスターヴ・モロー(1826~1898年)は、幻想的な画風で知られる象徴主義を代表するフランス人画家。1852年から住んでいたパリ9区のアパルトマンは1903年、世界で初めての個人美術館として、オープンしました。
美術館の受付からカーブのある階段を上った2階(フランス式1階)が、モローが家族とともに暮らした アパルトマンです。
すぐ左側にある書斎は、開館100周年の際に公開されました。
モローの作品や模写、16~17世紀の蔵書、父親から譲り受けた骨董品や、モロー自身が生涯を通じて集めた骨董品などが展示されています。
亡くなるまでの数年間、友人たちをここで迎えていました。
続く食堂は、色つきのガラス窓から静かに光がこぼれています。棚にある豪奢な装飾の陶器はモローの父親のコレクションで、モローの作風との共通点もみえます。
さらに、細い廊下を奥まで進むと、寝室になっています。もともとモローの母親の部屋だったそうで、ブルーの壁が落ち着いた印象です。
寝室の隣は、ブドワール(小部屋)と呼ばれていて、かつてはモローの寝室でした。
書斎の横にある細い階段を上ると、急に広々としたアトリエが現れて驚かされます。
1895年、自身の住まいを作品の展示場所と決めたモローが、建物の3~4階にこのアトリエを設けました。4階へと続く螺旋階段も、圧巻。螺旋階段を上りながら、また階段の上から、大画面の作品をさまざまな角度で鑑賞できます。
さらに棚の中には、400点以上ものパステル画や素描などを保存。こんなに多くの作品を身近に感じられるのは、個人美術館ならではでしょう。
モローの遺言によって、部屋の絵画の展示も、調度品も、当時のまま保存されているそうです。モローの世界は、今もこのアパルトマンに生き続けているようです。
Musée National Gustave Moreau
ギュスターヴ・モロー国立美術館
- 14 rue de La Rochefoucauld, 75009 Paris
- tel : 01 48 74 38 50
- 開館時間:10時~12時45分、14時~17時15分(月、水、木)、10時~17時15分(金、土、日)
- 休館日:火曜、1月1日、5月1日、12月25日
- 入館料:一般6ユーロ
- http://www.musee-moreau.fr/