プロに聞く!暮らしと住まいの成功術PROFESSIONAL
2005.12.28
賢い大掃除法
大掃除は、新年の安泰と五穀豊穣を祈り、神様をお迎えするために家中のすすを払って清める「煤払い(すすはらい)」という年中行事から由来したもの、つまり昔は新年を迎える準備のひとつとしてなくてはならないものだったそうです。というわけで、素晴らしい新年を迎えるためにも、家の中をすみずみまでキレイにしましょう。そこで今回は、お掃除のプロの先生に賢い大掃除の方法についてうかがってきました。今回の特集を読めば、大掃除が効率的に楽しく出来ること間違いなし?
キッチン編
食べ物を扱う場所でもあるし、おいしいものを生み出すクリエイティブな場所だから、いつもピカピカで気持ちの良い空間を保ちたいですよね。1年間お世話になったキッチンだから、感謝の気持ちを込めてキレイにしましょう。
油汚れ、お鍋の吹きこぼれ汚れ、焼け焦げなどを根こそぎ落とす!
基本的には、コンロが暖かいうちに固くしぼった雑巾などでふき取るのがベスト。だけど、忙しくて「あとで」と言っているうちに忘れてしまったものや、見逃してしまった汚れなど・・・悩ましいのがガスレンジ回り。まずお掃除をする前に、元栓をきちっとしめてください。そして五徳や受け皿など、取り外せるものは取り外し、規定量の洗剤+50℃前後のお湯を入れたたらいに漬け置きます。汚れがはがれたり、浮いてきたら歯ブラシやスポンジなどで汚れを落としていきます。この時、フッ素加工してあるものをゴシゴシこすると傷になるので要注意。それでも落ちない頑固な汚れは、アルカリ性の洗剤に浸した布やキッチンペーパーなどを30分くらい湿布し、水ぶきをしてください。最後に丁寧に乾いた布等でふくことも忘れないでくださいね。湿布の時、洗剤が乾燥しないようにラップをかけておくとより効果的です。ガスレンジ回りも同様に、歯ブラシ等でこすっても落ちない汚れは、この湿布法で汚れを取ってみてください。
掃除後の換気は、見違えるほどピカピカ!
引越の時、あまりの汚れっぷりに「びっくり!」ということも多い換気扇。ちょっと大掛かりになってしまいますが、今年はひとつ頑張ってみましょう。まず、ガスレンジ同様、外せる部分は全部外し、規定量の洗剤+50℃前後のお湯を入れたたらいに漬け置きます。たらいに汚れが浮いてきたらスポンジなどで、こすって汚れを落としていきましょう。一方、換気扇の心臓部分とも言えるモーター部分ですが、ここは水をつけると故障の原因にもなりますので、電源を切った後に、洗剤を浸したキッチンペーパーをモーター部分をぬらさないように貼って汚れを浮き出るのを待ってください。その後、お湯でしぼった雑巾で汚れをしっかりとふき取ってください。最後の乾拭きも忘れずに!
傷つきやすいシンクの掃除は丁寧に・・・。
シンクの汚れは、水垢やカビが主な原因です。例えば2日くらいシンクを掃除しなかった時に気になる“ぬめり”――、このぬめりの正体、実はカビ。まずはスポンジで、このぬめりを退治しましょう。この際、タワシなどでこすってしまうと傷がついてしまうことがありますので注意しましょう。傷はステンレスの輝きを奪ってしまうばかりか、傷の間に汚れがたまりやすくなります。その後、水分や洗剤をしっかりとふき取り、乾拭きして、乾燥させれば出来上がり。三角コーナー・排水トラップは、漬け置き洗いでピカピカになります。
これ、いつのだっけ?」なんてことがないように冷蔵庫の整理。
結構見逃しがちな冷蔵庫。電源を切って、中を空っぽにしてからキレイにふき掃除が理想ですが、空っぽにするのが難しいなら、1日目は棚板、2日目は飲料ポケットなどなど、少しずつ場所を変えながら(賞味期限や中味が入っているか入っていないかのチェックなどもしながら)のお掃除はいかがでしょう。まず外せるものは外して、スポンジに中性洗剤などをつけてふいていきましょう。この時、直接口に入れる食べ物を入れておく場所なので中性洗剤以外は使わないようにしてください。最後に固く絞った雑巾で、洗剤をふき取り、乾拭きすればおしまいです。
お風呂・トイレ・洗面所編
「毎日使っているから、週に1度は掃除している」という方も多い、お風呂やトイレ。だけど毎日使っているからこそ、汚れやカビがたまる場所でもあるのです。直接、肌が触れる場所だから、見えない汚れも徹底的に落としてしまいましょう!
心身ともにリラックスするお風呂をお掃除
まず洗剤をしっかりと効かせるために、風呂場全体を乾拭きします。それから大掃除スタート!スポンジに洗剤をしみこませ、壁・浴槽・床とこすって汚れを落としていきます。この時、シャワーノブや蛇口、お風呂のドア、取っ手なども忘れずに磨いていきましょう。汚れを落としたら、シャワーでしっかりと流していきます。もし、カビが生えてきているようだったらカビ除去もしなくてはなりません。まずゴム手袋(できればマスクも)をしてカビ取り用洗剤をカビ部分にふきつけ、10分弱放置します。普通のカビなら、ここで色が取れるのですが、それでも取れない頑固なカビなら布でゴシゴシとこすってください。その後、洗剤をシャワーで十分に洗い流し、乾拭きをしましょう。最後に、換気扇をまわすなり、窓を開けるなりして、十分に乾燥させてください。しっかりとした乾燥がカビの発生を防いでくれます。
突然のお客様にも慌てないように
コマメに掃除をしているつもりでも、やっぱり汚れてしまうのがトイレ。1年に1回の大掃除です、気合を入れてやってみましょう。一番オススメなのは、便器内にたまっているお水をくみ出してからの掃除ですが、「それはちょっと大変」と言う方はお水はそのままでもかまいません。まず、便器内に洗剤をスプレーし、その上にトイレットペーパーを乗せて湿布方法で汚れを取ります。そのまま30分くらい放置した後、トイレブラシでペーパーごとこすり落とします。それでも黄ばみが取れない場合は、クレンザーでゴシゴシとこすり落とすか、酸性洗剤を使用した湿布方法で汚れを落としましょう。また忘れてはならないのが、トイレの手洗いの場所や床の掃除。特に床は汚れが飛び散っていることもありますので、気づかずに放っておくと悪臭の原因にもなります。床も便器内同様に丁寧に掃除をしましょう。そして、これも忘れがちなのがトイレのスリッパ。洗濯をするなり、取り替えるなりして、清潔さを保つようにしましょう。
洗剤と使用する際の注意
お風呂掃除で使用するカビ取り用洗剤や塩素系洗剤とトイレ用洗剤でよく使用されている酸性洗剤を混ぜると大変危険です。混ぜることのないように注意して、使用の際は換気をしっかりとしましょう。
洗面台は、鏡も蛇口もピカピカに
まずは洗面ボウル。こちらはクリームクレンザーで汚れを拭き取ります。また蛇口や排水口の金属汚れは歯ブラシに歯磨き粉をつけて磨いていきましょう。金属部分がピカピカだと、洗面台全体がキレイに見えますよ!またお化粧品やヒゲそりなどを置いていらっしゃる方も多いでしょう。冷蔵庫の掃除同様、置いてあるものを吟味しつつ、どかしながら掃除をしていきましょう。もちろん、鏡をピカピカにすることも忘れずに。
洗濯機って、結構汚れているんです。
衣類等を洗う洗濯機ですが、これが意外に汚れているのです。まず洗濯槽の高水位まで40度くらいのお湯を入れ、酸素系漂白剤を500gほど入れてよく溶かします。30分くらい置いたら、10分間洗濯機をまわします。その後、一晩そのまま放置。翌朝15分くらい洗濯機を回すと、汚れが出てきますのでフチの汚れや隅にたまった洗剤などを歯ブラシや割箸で落としてください。そして、排水と脱水を交互に行い、キレイな水に取り替えて、洗剤や汚れが完全に取れるまですすいでください。そして今までの掃除同様、最後はきちんと乾拭きして、しっかりと乾燥させましょう。
リビング編
みんなで食事をしたり、テレビを見たり、話をしたり・・・と家族が集まる場所リビング。おうちの中心だからこそ、いつも明るく清潔にしておきたいですよね。
フローリングはいつもピカピカに!
まずは、フローリングワイパーなどで床にあるホコリやゴミ等を取り除くことからはじめましょう。その後、掃除機でワイパーで取り除けなかったゴミ等を吸い取ります。また、こびりついた食べこぼしや汚れなどがある場合は絞った雑巾でふき取ります。フローリングは木材なので、水をたっぷりと含んだ雑巾や強い洗剤での拭き掃除はご法度です。次に、フローリング用洗剤か住居用の洗剤を規定量の水で薄め、固くしぼった雑巾で床をふいていきます。ワックスをかけたい方は、この後かけてください。その際、規定量をきちんと守ってムラのできないようにかけましょう。30分くらいたったら、しっかりと乾拭きをして出来上がりです。
カーペットの汚れ、気になりませんか?
色によっても異なるでしょうが、生活していれば必ず汚れるカーペット。普段の掃除機だけでは取れない汚れも、ここはひとつ取ってしまいましょう。まずは掃除機を丁寧にかけます。その後、弱アルカリ洗剤を含んだ固く絞った雑巾で、毛の流れに沿ってやさしくふいていきます。次に、お湯で固く絞った雑巾で洗剤をふき取るように同じくやさしくふいていきます。その後乾いた雑巾で乾拭きしたら、扇風機などを利用してしっかりと乾燥させましょう。
曇りひとつないガラス窓で、初日の出を見よう!
まずは比較的汚れの少ない室内側からお掃除。ガラスクリーナーを直接ガラスに吹き付け、固くしぼった雑巾で端から中央に向けてクリーナーをのばすようにふいていき、仕上げに乾いた雑巾でふけばおしまいです。これを室外側も同様に行ってください。一方、サッシは土ぼこり等をブラシで浮かせてから掃除機をかけ、同じくガラスクリーナーをつけた歯ブラシなどで汚れを落としていきます。その後水をかけて、固く絞った雑巾でふいていけば完了。そして厄介なのが網戸。これは、ホースが使えればホースで網戸全体に水をかけた後、洗剤をつけたスポンジかブラシで、両面の汚れを取っていきます。ここであんまり力を入れてゴシゴシとこすると、網戸が破けたり変形してしまうので、ご注意を。その後10分くらい放置した後、ホースでキレイに流して、最後に雑巾などで水気をふき取ったら出来上がりです。ホースが使えない場合は掃除機やハタキなどで汚れを吸い取ってから、洗剤で汚れを落とし、同じく10分くらいたったらぬれた雑巾でふき取り、その後乾いた雑巾で乾拭きをすれば出来上がりです。
その暗さ、掃除をすれば解決するかも!
「うちの照明は暗くって」と嘆いている方、まずは照明器具の掃除をしてみてはいかがでしょうか。タバコのヤニや油、ホコリなど照明器具にはさまざまな汚れが付着しています。掃除方法は、簡単。まずはスイッチを切って、外せる部分は丁寧に外していきます。そして、住宅洗剤がついた雑巾でキレイにふき取っていきます。その際、コードなどにへばりついている汚れ等も忘れずにふき取りましょう。最後に水で固く絞った雑巾で洗剤をふき取った後、乾拭きをしていきます。掃除の際に電球やカバーを落としてしまったり、強く握って割ってしまったりなど、ケガにはくれぐれも注意してくださいね。
省エネのためにも、きちんとホコリを取りましょう。
できれば夏と冬、シーズンに1回はきちんと掃除をしたいエアコン。掃除をすることで、省エネ・節約にも効果がありますので、しっかりとお掃除を。まずエアコンの電源を抜き、掃除機で外カバーのホコリを吸い取ります。一通り吸い終わったら、中性洗剤を含んだ雑巾でカバーをふき、仕上げに乾拭きをします。次にカバーをあけ、フィルターを取り外し、掃除機で外側についているホコリ等を吸い取り、中性洗剤とスポンジで汚れを落としていきます。最後に洗剤を水でよく洗い流し、風通しのよい日陰で十分に干したら出来上がりです。
大掃除の際に守っておきたいこと
マナーをきちんと守って、大掃除をしていきましょう。
久しぶりの大掃除となると、思った以上に出るのがゴミ。地域のルールに基づいた分別はもちろんのこと、年内のゴミ回収日もチェックして、「年越しで出しっぱなし」なんてことのないように注意しましょう。また、ゴミ収集所に出さずとも室内に置きっぱなしにしてしまうと、悪臭の元になりますのでご注意を。
また、お掃除の時間帯やベランダ・玄関などでの水の使い方などにも気遣いも忘れずに。深夜の掃除機がけや、汚水を隣の家のベランダに流してしまったり、玄関前をビショビショにしてしまったりなどのことのないようにしましょう。