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マンションライフを楽しむMANSION LIFE

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2020.10.29

50代、プレシニア期からのマンション住み替えでセカンドライフを楽しもう!

50代、プレシニア期からのマンション住み替えでセカンドライフを楽しもう!

近年、子どもが独立すると、夫婦2人でマンションを住み替えるケースが増えてきています。子育て環境を優先した郊外から、都心・駅チカの便利な場所へ。部屋をダウンサイズし、より暮らしやすいサイズのマンションへ。趣味を楽しむために海や山の近くへプチ移住など、そのスタイルや目的はさまざま。体力、資金面ともに住み替え適齢期と言われるプレシニア期に、自分たちらしいマンション暮らしを実現するため、知っておきたいことを専門家へお伺いしました。

  • 取材先:畠中雅子さん

  • ファイナンシャルプランナー、「高齢期のお金を考える会」主宰
    マネーライターを経てファイナンシャルプランナーの資格取得後、大学院に進学し、生命保険会社の会計システムや、金融制度改革に関する研究に携わる。新聞、 雑誌、インターネットなどに多数の連載を持ち、セミナー講師、講演、個人相談のほか、金融機関へのコンサルティング業務なども行う。
    『ラクに楽しくお金を貯めている私の「貯金簿」』など著書、監修書は70冊を超える。
株式会社マンション

分譲マンション、住み替えはいつがベスト?

人生100年時代に入った今、ファミリーマンションや一軒家の購入を人生のゴールにするライフモデルは、過去のものとなりつつあります。人生のステージに合わせてライフプランやライフスタイルに寄り添った住まいに住み替えていく、そんな暮らし方がフォーカスされています。住み替えを考えている方もそうでない方も、老後の過ごし方を左右する「住み替え」に向けて知っておきたいことをチェックしましょう

・プレシニアの住み替えは"終活"の一環

「以前は一軒家を購入することが、住宅すごろくの“あがり”でしたが、今は高齢者施設への前段階として一軒家からマンションへ住み替える方も増えています。将来、高齢者施設への入居を視野に入れて、準備を始める方も多いようです」

そう語るのは、「高齢期のお金を考える会」主宰している、ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さん。子育て期にはとにかく広さと子どもたちのための環境優先で、少し駅から遠くても、広めのマンションや一軒家を購入する方も多いかもしれません。

「実は、大きな一軒家からいきなり高齢者施設に引っ越すと、狭い1室での暮らしになじめずに徘徊してしまう方もいると、高齢者施設の見学の際によく耳にしますです。また、医療措置がかなり必要な方が施設に入ると、毎月40万円くらいかかるケースも少なくありません。一軒家よりも賃貸に出しやすいマンションを所有していれば、自宅を貸出して、高齢者施設への入居費用に充てることもできます」(畠中さん)

子どもが独立するまでは手狭に感じられたファミリー向け物件も、夫婦二人の生活になるともっと狭い方が暮らしやすいことも。また、高齢になればなるほど、日々の買い物や通院への時間と手間が負担になるもの。だからこそ、交通アクセスが便利な場所にある、コンパクトなマンションへの住み替えがオススメなんだそうです。

・分譲マンション住み替えのタイミングは?

とはいえ、子どもが独立し、高齢になってから引っ越しを考えるのは、肉体的にも精神的にも大きな困難を伴うもの。現在の住居の処分、新しい住居の検討、もろもろの手続きに加えて、住み替えた先での環境に慣れ、人間関係を再構築しなければなりません。住み替えの手間やストレスに耐えられ、自立した生活が送れる年齢のうちに、住み替えを検討した方がいいようです。

「子どもの完全な自立を促すために、独立を機にファミリー物件から住み替えて、ダウンサイジングするという方もいますね。あえて、子どもが戻ってこられない環境にすることで、お互いに自立を目指していくようです。また、金銭的にも、退職前の方がローンを組みやすいという点も重要です」(畠中さん)

"終活"を始めるのは少し早すぎると思われるかもしれませんが、「プレシニア」と呼ばれる50代、まだ現役のうちに動き始めたいですね。

「モレなく」済ませるためには準備が8割!

プレシニアの住み替えならではのチェックポイント

プレシニアの住み替えは、自らのライフスタイルを見つめなおし、本当に必要な住まい方を見極めるいいチャンスです。子育て時代に意識していたのとは違う、プレシニアだからこそ意識したい住まい選びのチェックポイントを伺いました。

畠中さんによると、プレシニアのマンション買い替えのチェックポイントは「築年数」「立地」「広さ」の3点です。

「プレシニアの住み替えでは、新築にこだわる必要はないと思いますが、できれば築10年程度までで探した方がいいでしょう。築年数が経過していると、修繕積立金が自分の想定よりも早く値上がりする可能性があります。また、大規模修繕も3回目、4回目になると積立金だけでは賄いきれず、追加徴収となることも。退職後に追加徴収でまとまった出費が発生するのは避けたいものです」(畠中さん)

将来的に高齢者施設に入ることを考えると、資産性の高い物件かどうかの意識も大切です。特に、立地は住みやすさだけでなく、資産価値に直結します。

「プレシニアの買い替えで意識したいのは『売りやすい・貸しやすい』物件選び。駅に近い物件であれば、買い物や通院の便もよいので住みやすく、買い手・借り手も見つかりやすいですね。住みやすさという点では、勾配(坂道)があると、移動に負担がかかることを考慮しておきましょう。バスは高齢者でも乗車しやすくなっているので、自宅近くにバス停があり、バスを使えば総合病院にも通院しやすいような立地を選ぶのもポイントです」(畠中さん)

プレシニア夫婦の2人暮らしには、40平米程度の1L~2DKくらいがお薦めだそうです。また、自分の部屋だけでなくマンション全体の各部屋の間取りを把握して、どんな世帯が多いかも確認しておきましょう。同じマンションに住んでいる人によって、住みやすさに影響を与える可能性が出てきそうです。

「1ルームが多い物件はあまりお薦めできません。というのも、1ルームの住民は若い単身者であることが多く、深夜の出入りや生活音などで生活時間帯の差によるストレスを感じたり、人の出入りが多かったりと、環境・治安の面で高齢者には向いていません」(畠中さん)

「人生最後の物件購入」となる時期なので、後悔のないようにしっかりと自分なりのチェックポイントを見極めて、物件を選びたいですね。

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住み替えにかかるお金について

将来を見据えて住み替えをしたいけれど、気になるのは「お金」の話。現在の住まいの残債処理や、今後のローンの組み方など、買い替えにまつわるお金について伺いました。

「ローンは返済の終了年齢が80歳未満までは組めるものが多いですが、できればキャッシュで購入したいですね。それが無理であれば買い替え金額の半額以上は用意したいところ。手数料などの諸経費についてもきちんとチェックしておきましょう」(畠中さん)

住み替えをするにあたって避けられないのが「お金」の問題。現在の住宅ローンの残債がある方は退職金の金額なども含めて、お金の動きをしっかりと把握した上で予算を検討することがポイントだそうです。

「銀行などの相談会に参加したり、ローンの事前査定をうけたりして、借入可能金額を把握し、具体的なお金の動きを把握しましょう」(畠中さん)

また、若い時の住宅購入と違うのは、老後資金をしっかりと残した上で購入金額を検討しなければならないという点。定年退職までの期間、定年後の収入プランなども含め、お金の出入りをきちんと想定し、購入に使える金額を考えたいですね。

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プレシニアの住み替えは、特に「子どもに迷惑をかけたくない!」と考える方にとっては、切実な問題。実際に買い替えるにしてもしないにしても、現役世代の後半~引退後の生活をより豊かに過ごし、子どもたちとの関係を良好に保つためにも、早めに向き合っておきたいですね。

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